仙台市と仙台商工会議所は、5月に市内中心部の商店街で通行量調査を行いました。その結果、通行量はいずれの地点でも2024年を上回りました。
一方で、中心商店街との関わりを尋ねた学生へのアンケート調査では、若者の意識や価値観の変化が浮き彫りとなりました。

通行量調査は、仙台市と仙台商工会議所が市内中心部の商店街で毎年5月の金曜日と日曜日に2日間実施しています。

2025年は、5月23日と25日に行われ、仙台駅の東西自由通路やペデストリアンデッキ一番町など8地点の通行量を調べました。

その結果、すべての地点の平均は「23日」が4万1699人と2024年より11.2%、「25日」が4万5181人と2024年より6.8%、それぞれ増えました。

コロナ禍前との比較では、2019年と比べ、23日は4.1%増加したものの、25日は7.8%減少しました。

最も多かったのは、2日間とも東西自由通路で「23日」は8万917人で前の年より23.9%増え「25日」は9万244人で15.4%の増加となりました。

仙台商工会議所 星琢治さん:
「仙台駅の西口も東口も開発が進むなど、年々仙台駅を拠点として非常に(人気が)高まっている状況なのでは」

また、仙台商工会議所は、5月市内大学や専門学校あわせて8校の学生を対象に中心商店街との関りについてアンケートも行いました。

その結果、「普段足を運ぶエリア」としては「JR仙台駅前」が47.6%と最も多くなりました。

次いで「ハピナ名掛丁・クリスロード商店街」が28.5%、「ぶらんどーむ一番町・サンモール一番町・マーブルロードおおまち商店街」は5.7%でした。

大友惇之介記者:
「若者がアーケード商店街ではなく、仙台駅前を選ぶ理由、一体何なのか駅前で聞いてみたいと思います」
若者:
「大体仙台駅周辺、ここらへんで完結させちゃう」
「仙台駅方面に来ればなんでもあるので、わざわざ駅の反対方向にいく理由がない」
「あんまり店がないから。こっちのほうがいっぱい(店が)あるイメージ」

一方、一番町のアーケード商店街では、こんな意見も…
若者:
「好きな古着屋があるので(駅から)歩いてこっちまで来る」
「仙台駅は用がなくても行ける場所、ここは路面店が多いので用がないとピンポイントで行かない気がする」

この結果について、仙台商工会議所は若者が出かける目的や価値観の「変化」を理由に挙げています。

仙台商工会議所 青木瑞穂さん:
「若者の価値観の部分を初めて調べたが、「タイパ」(タイムパフォーマンス)もコスパ(コストパフォーマンス)も8割以上の回答者が意識していると回答していた」
仙台商工会議所は、アンケートの結果を各商店街と共有し、新店舗の誘致やイベントの企画につなげていく考えです。
学生へのアンケートでは、アーケード商店街に求めるものについても回答が寄せられました。手ごろな価格帯のアパレル店や気軽に入れるカフェ、また無料で飲食や勉強に使える休憩スペースを求める声が特に多かったということです。今後の街づくりのためには、学生のライフスタイルも取り入れたアーケード商店街の存在が欠かせないのではないでしょうか。