「僕は犯罪者なんだ」ノートには改ざん後の不安や葛藤が…
改ざんされた文書で会計検査院と向き合わざるを得なかった赤木俊夫さん。当時の手帳からは、激務が続いていたことがわかる。

妻・雅子さん
「『会計検査対応』って書いてます。『深夜1:15退庁』」
「(数日後にも)3時10分退庁とか」
「夫は(国有地の)売り払いのところは担当していなかったので。会計検査院が1回目うまくいかなかったことを家でも言ってた。『合格が出なかった』『不合格やった』って。『もう1回やらなあかん』って」
ノートには、改ざん後の俊夫さんの不安や葛藤が伺える記述もある。

赤木さんのノート
「刑訴法239条 何人も告発できる」
刑事訴訟法239条は、誰でも犯罪を告発でき、公務員には告発義務があると定めている。その隣には「刑法258条」。公文書毀棄罪は、3か月以上、7年以下の拘禁刑に処するというものだ。

妻・雅子さん
「訟務官(法務担当)と書いてると思うんですけど、相談してたんじゃないかなと思うんですけど。我が家でも『僕は犯罪者なんだ』としきりと言ってたので、捕まるんじゃないかという不安を抱いていたみたいです」
俊夫さんの笑顔が消え、ノートは2017年の6月23日で終わっている。

妻・雅子さん
「内示があった日なんですよ。その当時は(部署を)異動できることだけが1つの望みだったので『異動できると思うんだ』というようなことは言ってたんですけど、『結局無理やった…』って帰ってきたんですよね。そこで多分気持ちがもう折れて、(ノートが)終わっちゃっているんですよ」
「(ノートの)最後になれば最後になるほど、すごく字が乱れているので、気持ちがそれだけ辛かったというのがわかるのと、もっと寄り添ってあげられたんじゃないかなって…」
俊夫さんがパソコンに残していた手記には…

俊夫さんの手記より
「元は、すべて、佐川理財局長の指示です。抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るかずっと考えてきました。今の健康状態と体力では、この方法をとるしかありませんでした」
手記を残し、2018年3月7日、俊夫さんは自宅で亡くなった。