真相を知りたい妻に対し…「もう何年も前の話ですから」口を閉ざす当事者たち
夫の死の真相を知りたい。その一心で、妻・雅子さんはこの7年闘ってきた。一方で、関わった財務省の幹部はほとんどが昇進。当事者たちは今も口を閉ざし続けている。
近畿財務局の上司が、俊夫さんの弔問に来た際の音声がある。
近畿財務局 管財部長(2018年3月 当時)
「僕が言えるのは真実がうやむやになることはない。こんなこと言うたらあれですけど、トカゲの尻尾切りみたいなことは、財務省は絶対ないから俺らを信じてくれっていうのが、僕がせめて言える言葉」
「真実がうやむやになることはない」と語っていた上司に、話を聞こうとしたが…

Q.森友の問題について、当時の対応について教えていただきたいんですけども?
近畿財務局 元管財部長
「退職して時間も経つし、もう何年も前の話ですからね」
Q.過去のことだから覚えてないと仰るんですか?
近畿財務局 元管財部長
「誤解を招く可能性もあるし、私はもうお話しすることはございません」
別の元幹部にも話を聞こうとしたが、財務省を退職後、再任用されているため「広報を通してほしい」と伝えられた。
財務省からの回答は、「本件は財務省組織として対応していることから、取材をお受けすることは差し控えさせていただきます」というものだった。
雅子さんが国や佐川氏を訴えた裁判の法廷に、佐川氏は一度も姿を見せず、佐川氏個人の賠償責任は認められなかった。
当時を知る財務省の元幹部は…

財務省 元幹部
「(改ざんの)指示が官邸などから明確にあったかどうかは、佐川本人のみぞ知る世界です。今、口をつぐんでいる当事者たちが話し始めれば、見えなかったことが見えてくる可能性はあると思います」

妻・雅子さん
「こんなひどいことが起きていたのに捕まっていない。世の中こんな不条理なことがいっぱいなんだなって、いろんな場面で感じますけど。自分に置き換えて考えてほしい。特に(近畿)財務局・財務省の人に、そう感じています」