戦後80年にあたり、原爆の犠牲者を慰霊するため広島を訪問していた天皇皇后両陛下が帰京されました。

きょう(20日)午後8時ごろ、両陛下は特別機で羽田空港に到着し、出迎えた関係者と挨拶した後、皇居に戻られました。

両陛下は、戦後80年にあたり原爆が投下された広島県をきのう(19日)から訪問していて、平和公園で慰霊碑に花を供えたほか、原爆資料館では被爆者の衣服などの展示をじっくりと見て回られました。

その後、両陛下は被爆者らと懇談し、「ご苦労なさいましたね」などと声をかけられました。

きょうは、高齢の被爆者が暮らす原爆養護ホーム「矢野おりづる園」を訪れ、入所者と懇談に臨まれました。

両陛下は腰をかがめながら入所者の話に耳を傾け、陛下は、「こちらの生活はいかがですか」「平和は大切ですね」と話し、皇后さまは、「お辛い思いをしましたね」と優しく声をかけられていました。

2014年8月の豪雨による土砂災害の被災地も訪問された両陛下。

23人の犠牲者を出した広島市の安佐南区の小原山砂防堰堤を訪れ、住宅が流された場所に向かい、そろって黙礼されました。

両陛下は、母親を亡くした男性やその娘らと懇談し、陛下は男性に「被災された直後はどのように過ごされていましたか」と、皇后さまは、被災後に防災士の資格を取り講演活動を行っている娘に「活動はいかがですか」と声をかけられていました。

両陛下は広島を訪問した感想について「被爆者がこれまでの辛い体験や平和の尊さを自ら語り継いでおられることに、深い敬意を抱きました」と側近を通じて明かされています。