福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。今回は、会津若松市で120年以上続く印刷所です。伝統工芸品を使った新たな挑戦がいま注目を集めています。

小気味良いリズムで刷り上げる、年代物の印刷機。ここは会津若松市の「佐島屋印刷所」です。創業から120年以上、学校関係、イベントチラシ、ポスターなど多種多様な印刷物を数え切れないほど印刷してきました。

10年前に7代目として印刷所を受け継いだ五十嵐弘太郎さん。

--五十嵐弘太郎さん(七代目)「インクの匂いだったり、風合いも印刷機ならでは。デジタルプリンターでは出てこないものだと感じています。」

昔ながらの古き良き伝統を残しつつ、その時代に合った新たな技術を取り入れ、積極的に商品開発も行っています。

--五十嵐弘太郎さん(七代目)「印刷は受けの商売なので、注文がなければ作れない。コロナ禍で(発注が)ゼロに近いくらいに無くなったので、その時間で自社製品を作ってみようかと始まった。ピンチでしたよね、でもそれがチャンスにもなるのかなと。そこで動けたのがよかったんだと思っています。」

”受け”から自分たちで生み出す方へ。

会津の伝統工芸品をデザインした小物入れやTシャツは会津のお土産店でよく見かける、人気の主力商品となっています。

--五十嵐弘太郎さん(七代目)「ぷち缶は今メインになっていますけど、中に起き上がり小法師が入っていた方が良いかと思っていたらぷち缶だけで買ってもらえるので。自分で何かを入れられるワクワク感。やってみないとわからないなぁと。それこそ物販をやってきてなかったので、一から全部勉強ですよね。」

さらに、コロナ禍から生まれた、会津の伝統工芸品を使った今の時期にぴったりの人気アイテムがあります。

鶴ヶ城のお堀のすぐ横にある「本丸茶屋」。食事やお土産などを販売しているこちらのお店の中へと入ってみると…