ダイビングスポットとして人気の高知県大月町。透き通った美しい海が魅力ですが、目には見えないほどの小さなごみが海岸に打ち寄せられています。こうした現実を伝えようと、ある取り組みが始まりました。 

■海のきれいさを表すバロメーター「微小貝」

1000種類ともいわれる魚やサンゴが生息する、高知県大月町 柏島の海。全国屈指の透明度をほこり、海の中は50メートル先が見えることも。海外からも観光客が訪れる人気のダイビングスポットです。

この美しい海で行われている環境学習プログラムがあります。そのプログラムでは、小さいもので1ミリほどの「微小貝」という色鮮やかな貝殻を探します。

NPO法人「黒潮実感センター」神田優センター長:
波が打ち寄せたライン上を探すと微小貝はいます。目をこらして探してみましょう。

微小貝は、海のきれいさを表すバロメーターとも言われます。子どもたちの修学旅行を対象にしているこのプログラム。モニターとして参加した大人たちも夢中です。

■微小貝に混ざる「マイクロプラスチック」

神田センター長が、微小貝があるところの砂をすくい、海水を入れました。

神田センター長:
微小貝はあるんですけど、浮かんでいるのがマイクロプラスチック。

海を漂うビニール袋やペットボトル、漁業で使われる「浮き」が紫外線で劣化し、小さく粉々になります。これが、マイクロプラスチックです。

神田センター長:
さらにどんどん細分化して小さくなって、“ナノレベル”にまでなっているものもある。ナノレベルにまでなると、動物プランクトンが間違えて食べ、動物プランクトンを餌にしているイワシ、キビナゴが全部一緒に食べてしまう。その一部が人間のお腹に入る。
これだけきれいな柏島でもこれだけマイクロプラスチックがある。きれいな海を見て、きれいな微小貝がいて、気分があがっているところによく見たらマイクロプラスチックもたくさん浮かんでいる。
他の誰かではなく自分たち人間の生活から出た物が海へ流れ着いて、打ちあがっている。自分たちの生活の“負”の部分、影響を及ぼしていることを気付いてもらうことで地球に対する負荷を少しでも下げることにつながると思う。

これからの生活と地球の未来をどう考えるべきか。美しい海の「現実」がそれを問いかけています。