“横のデパート”で愛された水上ビル
(黒野さん)
「元々は戦後のいわゆる“闇市”。豊橋は空襲で全部焼けちゃったので、何もなくなってしまった時に闇市が駅前付近にできるんですが、僕らはみんなで毎日いくら貯めようと決めて貯金をして土地を買って、当時バラックみたいな商店街を建てた」

「ただそれも戦災復興がされていく過程で『美観的にもよくないね』とか『防災的にもよくないね』ということで、じゃあ解きましょうという話になった時に『川が流れているね、川の上があるじゃん』と」
黒野さんによると、水上ビルの誕生は空襲で被害を受けた後にできた闇市がきっかけとのこと。戦後間もない頃に駅前の一等地で開かれた闇市ですが、街の復興とともに立ち退きを命じられることに。そこで“牟呂用水の上”に目をつけたのです。

豊橋市の河川に関する条例(昭和44年)が施行される前の昭和39年、川の上にビルが建設され、1階が店舗、2階以上が住居という長屋形式で当時はビルを一周すればなんでもそろう“横のデパート”として愛されてきたといいます。

続いて訪れたのは、近くに「境川」が流れる愛知県東郷町。この境川の支流「春木川」に、とっても珍しい“暗渠道”があるとのことでへ向かってみます。