◆「OTC類似薬」を保険適用外にすることで年間約3200億円削減(試算)
日本の医療費は年々、増え続けていて2003年度に31.5兆円だった国民医療費は、この20年で約16兆円増え、2024年度は、約49兆円で過去最高を更新する見込みです。
風邪薬や胃腸薬、湿布など、医師の処方箋が必要な「OTC類似薬」は保険適用のため、自己負担は1割から3割に抑えられ、市販薬より安く手に入ります。
具体的な対象品目は、慢性疾患を抱える人や患者の負担を配慮しながら検討するとしていますが、保険適用外にすることで、年間で約3200億円分の削減効果を見込めると試算されています。
◆診断を受けずに症状が重篤化するリスク
今回の方針について、札幌市西区のクリニックに通院する人は…。

・60代
「正直なところ経済的には今までどおりがありがたいけど、必要な分だけドラッグストアで購入するのも仕方がないかな」
・70代
「(OTC類似薬の)保険適用外はやっぱり嫌。年金で細々だから、やっぱり負担は低ければ低いほどいい」
院長の大坪医師は、医療費の削減以外にもメリットはあるとしています。
・八軒内科ファミリークリニック 大坪優介 院長
「医療資源(薬)の適正配分化にはなるのではないかなと。(患者の)健康リテラシーを向上させることによって、医療への過度な依存は減るのではないか」
一方で、診断を受けずに症状が重篤化するリスクを懸念しています。
・八軒内科ファミリークリニック 大坪優介 院長
「患者自身が自分の病態を判断しなきゃいけないので、本来医師が診ていたら早く発見できるものを、やっぱり手遅れになることは起こりうるかな」
「自分が飲んでる薬はどういうものなのかを勉強して、自分の健康に興味を持っていくことで、この変化にも乗り越えられるようになるのではないか」