配達員の点呼が不適切に行われていた問題で日本郵便は、運送事業許可取り消しの処分を受け入れることを決めました。今回の問題に対し仙台市内の別の運送会社からは「同じ業界として恥ずかしい」などと厳しい声が上がっています。

「おはようございます」
「6月17日、運行前点呼を始めます。睡眠時間はどうですか」
「7時間寝ました」

仙台市宮城野区の「仙台配送」です。法令に基づき毎朝トラックドライバーと運行管理者が対面で「点呼」を実施しています。

「はい、アルコールゼロ、OKですね」

体調や睡眠時間の確認、アルコールのチェックを行います。
その後、ドライバーはトラックの点検へ。タイヤやボルトの確認、エンジンやオイル漏れの有無、さらにランプの点灯も調べます

整備管理者:
「ハザードつけてくれるかな」

ドライバー:
「公共の道路を使わせてもらって仕事をしているので、一般の人に迷惑をかけられないという思いが強い」

この会社では、およそ60人の従業員が勤務し、毎朝40台のトラックが荷物を配送しています。点呼は、法律を守るのはもちろん、事故やトラブルを防ぐため重要だといいます。

仙台配送 尾上寿昭社長:
「点呼はドライバーが仕事をスタートするにあたって、最後の指示を出したりアルコールチェックもそうですし、これから公道を走るにあたっての一番重要な時間帯だと思っている」

こうした中、日本郵便では今回、全国の郵便局などでアルコールチェックをしないなどの不適切な点呼が明らかになっていて、東北管内でも327の営業所で不適切な点呼が確認されています。

仙台配送の尾上寿昭社長は、日本郵便の今回の問題に対し厳しい意見を投げかけます。

仙台配送 尾上寿昭社長:
「同じ業界としては恥ずかしいこと。周りから見ている一般の人の信頼を損ねたのでは。日本郵便はコンプライアンス違反をせずに信頼を取り戻すしかない」

日本郵便に対しては運送事業許可の取り消し処分が下される見込みで、日本郵便はきょうの会見で処分を受け入れると表明しています。

処分が下されれば、日本郵便の2500台のトラックが使用できなくなり、このうち東北管内は180台となっています。日本郵便は、ほかの運送会社に委託するなどし、サービスの提供を維持すると説明しています。