16日は、岡山・香川で今年初の猛暑日となり、17日も高梁で猛暑日になるなど、うだるような暑さとなっています。そんな中、6月からは、企業に対して職場で適切な熱中症対策を取ることが義務づけられています。

屋外での作業も多い企業では、猛暑の夏に向けてあの手この手の取り組みが行われています。

(重藤組 現場監督 山崎裕貴さん)
「きょうも一日暑いので熱中症対策十分気を付けていきましょう。自分たちの従業員を守るように気を遣って作業をよろしくお願いします。ご安全に」

岡山市のゼネコン・重藤組が手がける南区妹尾の工事現場【画像①】です。

【画像①】

(瀬戸大輝記者)
「こちら日陰ですが、現在手元の気温計は37℃。かなり暑い中で作業が行われています」【画像②】

この現場では平日の、毎日午前8時から午後5時まで、約45人が作業しています。

【画像②】

暑さに耐えながら働く作業員にとって、この時期欠かせないのが熱中症対策です。

(作業員)
「これ(空調ウェア【画像③】)がないと、今はやっていけないですね。体感温度が全然違うので」
「無いと死にますね。昔は無かった」

【画像③】

作業員だけでなく企業側も対策に力を入れています。休憩所には、ミストが設置されていて、冷房も完備。また、冷えた飲み物や塩飴なども用意されていますが、作業員から特に人気なのは…。
(機械音)

夏の定番「かき氷」【画像④】です。

【画像④】

(作業員)
「最高です」
ー休憩でかき氷食べると違いますか?
「全然違います。やる気100%になります」

【画像⑤】

6月1日、全国で企業の熱中症対策が義務化されました。予防はもちろん、万が一発生した際に、重症化を防ぐ対応も求められています。対策を怠った場合、6か月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金が科されます。

【画像⑥】

重藤組では今月から熱中症の疑いがある際の対処法を図にして、作業員全員に周知しているといいます。

(重藤組安全管理室 信原直樹室長)
「誰が発見しても、同じような処置をして同じように重篤化を防ぐことが大きな目的です。同じ現場で働く仲間ですから、十分な環境づくりとコミュニケーションを取っていきたい」

【画像⑦】

職場での熱中症は、近年増加傾向にあります。厚生労働省の統計では、去年、全国の職場で熱中症により死傷した人は1257人にのぼり、過去最多となっています。

オフィス用品を取り扱う、倉敷市の「クラブン」では、企業向けの対策グッズを多く取り扱っています。

【画像⑧】

特に売れ行きが好調なのが…

(クラブン営業開発部 松嶋慶和さん)
「こちらの商品【画像⑨】は、熱中症指数計と言いまして、WBGTという暑さ指数がいくらなのか測れる機械です」

【画像⑨】

WBGTとは、気温・湿度などの熱中症に関わる要因をまとめて評価できる指数です。熱中症対策が義務化されたのは、WBGTが28℃以上の環境などであることから、導入する企業が増えているといいます。企業向けのグッズはほかにも…。

(前田唯アナウンサー)
「こちらの腕時計型の商品【画像⑩】、熱中症のリスクが高まるとアラームと振動でお知らせしてくれるんです」

【画像⑩】

この端末は体の深い部分の温度上昇を検知して警告。忘れがちな休憩や水分補給のきっかけを知らせてくれます。

他にも、ミストが出る「ポータブル型扇風機」【画像⑪】など、多種多様なグッズが注目されています。

【画像⑪】

各企業で様々な対策が進むなか、岡山労働局は熱中症の疑いがある場合、企業の迅速な対応がカギになるといいます。

(岡山労働局健康安全課 貞宗恵治課長)
「熱中症は防ぐことができる労働災害です。(熱中症の疑いがある人を)迷わず搬送することで、重篤化する人を1人でも減らすことができるので、その対応・体制を各企業がきちんと取ってほしい」

暑さになれていないこの時期、そして本格的な夏に備えて…。これまで以上に手厚い熱中症対策が求められます。