巨木の森を次世代へ
山師の間で語り継がれる神秘の木があるという。山は激しい雨となった。ぬかるんだ道は険しく、思うように進めない。1時間ほど登っただろうか...
本田竜二さん
「これ『二代杉』なんですよ」

テレビカメラが初めて捉えた巨木。木の根元は緑で覆われているが、太さは縄文杉をはるかに上回っていた。これは過去に伐採された屋久杉の上に、新たな屋久杉が育って重なった二代杉と呼ばれる木だ。
本田竜二さん
「段ができている。元の木もすごく大きかった。その上に生えてる。これ以上の『二代杉』は見たことない」

元の切り株は樹齢3000年ほど。その上に、樹齢2000年の屋久杉が立っていた。
本田竜二さん
「(幹周り)21m」

幹には大きな空洞があった。二代目の芽が出たのは、2000年前。その時には初代は切られていたということになる。
本田竜二さん
「切っている。どうやって切ったのか、その時代に。2000年は経っているから。2000年前にどんな技術で切ったんだろうか。切っているんですよ、折れてない。大事にこれは残すべき木だと。価値のある木」
かつて、日本の経済成長を支えた山師たち。受け継がれていく思いがある。

本田竜二さん
「山の師匠の「師」じゃなくて、山に仕える方の「山仕」だと思います。親父も言っていました。『山に仕える山仕だ』と」
島を覆う広大な森。山師たちは伐採の一方で、巨木を残した。巨木から落ちた種は1000年後、再び森の中の屋久杉となっていく。
