世界遺産の島・屋久島を象徴する縄文杉。この縄文杉に匹敵する巨木がほかにもあることが取材で明らかになりました。取材したのは、屋久島の森を知り尽くしている「山師」と呼ばれる職人たち。彼らしか知らない深い森に初めてテレビカメラが入りました。
未知の巨木が残る「山師の森」へ

世界自然遺産の島、屋久島。森の奥にそびえたつ縄文杉。幹周り16.1m、高さ22.2m。現在見つかっている屋久杉の中で最大だ。

真っすぐ育つ杉とは全く異なった、ごつごつした姿をしている。樹齢は2000年から7200年といわれ、諸説ある。この木を一目見ようと、年間約5万人の登山客がやってくる。

ーー感じるものはある?
登山客
「神々しさ」
「やっと出会った。こんなに巨木だらけの森に来たのは初めて」
「パワーをもらいに。生命力が凄い」
実は最大の縄文杉に匹敵する巨木が4本あることがわかった。JNNのカメラがその姿を初めて捉えた。
1000年以上生きた杉だけが、「屋久杉」と呼ばれる。樹齢数千年の屋久杉が立ち並ぶ森などが評価され、世界遺産に登録された。

これは屋久杉の巨木のデータだ。上位3本は幹周りが10mを超え、樹齢は2000年から7200年まである。
取材班が同行したのは、「山師」と呼ばれる人たち。深い森の中で木を伐り出す職人たちだ。私たちは、立ち入りが制限されている国有林に入る許可を得た。遭難の危険があるため、山師は巨木の存在を公にしてこなかった。

山師の本田竜二さん(54)。登山道を離れ、険しい山の中を歩く。これから行く場所は、本田さんしか知りえない。

うっそうと生い茂る植物。屋久島は土壌が薄く、木々は土ではなく、花崗岩に根を張っている。屋久島は島全体が花崗岩でできている。屋久杉は過酷な環境の中、ゆっくりと成長する。年輪は密だ。腐りにくく、固く太い幹がつくられる。