G7サミット=主要7か国首脳会議がカナダで開幕しました。ただ、アメリカのトランプ大統領は終了を待たずに、急きょ帰国の途につくという異例の展開となっています。

カナダ西部・カナナスキス。大自然の中にあるリゾートに主要7か国の首脳が集まりましたが…

アメリカ トランプ大統領
「帰らなくてはいけない。重要なのだ」

トランプ氏が2日目の日程への出席を取りやめ、急きょワシントンに戻ると言い出したのです。

アメリカ トランプ大統領
「明日まで残れたらよかったが、大きな案件なので、首脳らにも理解してもらった」

ホワイトハウスは中東情勢が理由と説明していて、イスラエルとイランの応酬のエスカレートを受けての対応とみられますが、会議終了前の帰国は異例です。

アメリカメディアは…

「トランプ氏が国家安全保障会議に対し、帰国後、ホワイトハウスの作戦指令室で直ちに会議を開けるよう準備を命じた」

現地の緊迫の度合いが一段と高まった可能性があります。

こうした中、G7首脳は「イランが決して核兵器を保有できないことについて一貫して明確な立場をとってきた」などと明記した共同声明を採択しました。

そしてG7サミットでは、2日目にゼレンスキー大統領を交えてウクライナ情勢についても議論が予定されていましたが、トランプ氏はこれに参加しないことになります。

G7サミットでのもう1つの懸案事項、それがトランプ関税です。どこまで一致・協力できるかが注目されましたが、思えば7年前にカナダで開かれたG7サミットでも、関税をめぐるトランプ氏の振る舞いが注目を集めました。

この時もトランプ政権の関税政策を議論。その際、関税批判にトランプ氏が激怒し、首脳宣言から離脱する結果となりました。

カナダでのG7サミットはあの時以来。そんなトランプ関税の影響はこのサミット会場でも…

記者
「メディアセンターでも配布されているこちらのお水にも関税の影響が出ているということです」

公式飲料水として各国の代表団やメディアなどに提供されているミネラルウォーター。製造しているのはカナダの企業です。

缶の材料はカナダ産のアルミニウムですが、加工をアメリカで行っているため、アメリカにアルミを運ぶ際にトランプ関税が課されることになりました。これで缶の値段は2割増しに。

飲料水を製造「NORTH」 サーワン・ローガンCEO
「現時点で値上げ分は会社が負担しています」

さらに今月3日、アルミニウムなどを対象とした追加関税が発動されると、加工会社から缶の値段が当初の5割増しになると通告されたのです。

飲料水を製造「NORTH」 サーワン・ローガンCEO
「私たちはお互いが必要なので争うのではなく、協力し合う道を選んで欲しいです。このボトルはその思いが詰まっています」

トランプ氏が7年前よりもさらに大幅な関税引き上げを突きつける中、今回は一致点を見出すことができるのでしょうか。