自己負担は増える?

保険適用外になるとどうなるのでしょうか?
仮に定価2000円の風邪薬(OTC類似薬)の場合、現段階では保険が適用され、小学生〜69歳は3割負担で600円。これに診察料や調剤料などが加わります。
75歳以上の人も1割負担で200円なので、数百円で済む場合もあります。
今後、もしこの風邪薬が保険適用除外となり10割負担となると、これまでの倍以上になる可能性が出てきます。
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
元々の背景としては、国民医療費が47兆円規模で、毎年上がっているので現役世代の負担が大きくなっている。これを何とかしなければならないというのがあるんですね。
高額療養費などを削らずに維持しようとすると、少し軽いもの、自分で管理できるようなものについては市販薬と同じ薬を医療機関を受診せず薬局で自分で購入してセルフメディケーションという形でできるんじゃないかというのが背景にあります。
恵俊彰:
薬としては違うんですか?
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
成分は同じものを使っていて、同じ量含まれているものもあるので、使い慣れているものであれば確かに医療機関を受診せずに自分で薬局で購入してということは可能だと思うんですが、様々な課題はこれからだと思いますね。
街の声はー
30代会社員
「3週間ぐらい前、腰がデスクワークで痛かったので診てもらいました。一応湿布も出してもらって、痛みが強い場合の薬ももらった。大体3000円くらいだったかな。
(Q.それが1万円位になると?)めちゃめちゃ困りますね。」
50代パート勤務
「風邪薬が適用外だったら、やっぱりドラッグストアとかの薬を飲んじゃう。いきなり適用というのはちょっと困りますね。」
30代会社員
「子どもがいるので、1か月に1回ぐらい熱を出したりするので今の状況が変わるのは個人的にはあまりよくないなと思ってます。でもやっぱり医者に行かないと細かい原因まで分からないので、全額負担でも医者に行かざるを得ないと感じています。」
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
現役世代の方もインタビューに答えていますが、「現役世代の負担を軽くする」と言っていて現役世代も我慢しなければならなくなるというのが、また難しい問題かなと思いますね。
コメンテーター 渡辺満里奈:
市販薬で買うと「こんなに高かったんだ」と思う薬もあるので、慢性的な疾患を持っている方などはいきなり適用外になるのはかなり負担が大きくなってしまうのかなと。
それをやった末に本当に社会保険料は下がるのかという心配もあったりします。
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
そうですね。高い安いの値段だけの問題ではなく、本当にその薬を使って効果が出る症状なのかというしっかりした診断は必要になってくると思います。
どういう状況の方がセルフメディケーションで自己管理をしていくのか、どういう方が医療機関を受診するのかを、我々の意識も含めてこれから考えていかないといけない問題だと思うんですよね。
日本の、特に70代の方は医療機関を受診する回数が突出して多いんです。その全てが必要かどうかという検討は、医療費の抑制の上では必要だと思います。














