熊本県が卵子の数を調べる検査、「AMH(エーエムエイチ)検査」のモデル事業を中止すると発表しました。この事業はなぜ中止になったのでしょうか。
県は、国が進める妊娠前からの健康管理「プレコンセプションケア」の取り組みを模索していました。

そして取り組みの一つとして、県民向けに展開する前に2025年度に県庁の中で試験的に実施しようとしたのが、県職員で20代の未婚女性のうち希望者にAMH検査を実施するというものです。
※AMH 抗ミュラー管ホルモン
※AMH検査 血液中のAMH濃度を調べ卵巣機能を評価する手段
6月12日の県議会でこの事業に対する疑問の声が挙がりました。

立憲民主連合 幸村香代子県議「AMH検査モデル事業は問題があると思っています。モデル事業で検証する必要はあるのか」
これに対し木村知事はAMH検査の事業を中止すると明らかにしました。
県は今回の事業を「試験的な取り組みと位置付けていたことから性別や年代を限定したが、そのことが誤解を招き、理解が得られなかった」と説明しています。
そもそもAMH検査はどんな位置づけの検査なのか。産婦人科医に聞きました。

前田産婦人科 前田隆宏医師「AMHが年齢に対して低い人は、早めに体外受精などにステップアップする一つの目安」
ただ数値はあくまで目安のため、基準の数値より低くても妊娠するケースは多いと言います。
その上で具体的な悩みがない段階で検査を受けることにデメリットもあると指摘します。

前田医師「自分が結果を見て、数値が低かったから妊娠しないんじゃないかと、不要な心配をする可能性がある。気軽に受けて余計心配になると本末転倒」