日本最古の染色技法と言われている藍を染料にした「正藍冷染(しょうあいひやぞめ)」の作業が宮城県栗原市で行われています。

生地を染料に浸す正藍冷染の作業を行っているのは、栗原市栗駒文字の千葉正一さんです。

正藍冷染は、平安時代から続く染色技法とされていて千葉家によって代々大切に受け継がれています。

長さ13メートルある反物の生地を藍の染料に浸して染める作業は例年と同じ6月上旬から始まりました。

千葉さんは4代目で、着物に使われる絹麻の生地を昔ながらの手作業でていねいに染め上げました。

正藍冷染技術保持者 千葉正一さん(75)
「染まり具合は大変いい。きれいに染まっている。そのままその通りにやっていてこそこの色が出るので、先代の母親に教えられたことは完璧に守ってやっている。何も変えていない」

地を川で洗う生地は、工房近くを流れる二迫川(にはさまがわ)の清流で洗い流すと鮮やかな藍色に仕上がります。

千葉さんによりますと、明治から大正にかけて文字地区で20軒ほどの農家が藍染を行っていましたが、戦後まもなく2軒にまで減少し、今では千葉さんただひとりとなりました。

今年は、染料の藍の発酵が順調に進んだことから7月いっぱい、反物のほかハンカチや手ぬぐいなどを染め上げるということです。