『コメ全体の価格を引き下げるねらいか』

 一連の備蓄米の放出について、元農水省官僚でキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「小泉大臣はコメ不足の懸念に対し、必要であれば輸入も辞さないという強い姿勢を示している」と指摘。また、「滞留しているコメを市場に動かし、銘柄米を含めコメ全体の価格を引き下げるねらいがあるとみられる」とコメントしています。

 一方、多くの備蓄米が出回ると市場でコメが余ってしまうのではないかという懸念について、山下研究主幹は「市場に出回るコメの種類が増えても価格は需要と供給のバランスによって決まるため、供給過剰にはならないのでは」と話します。

 備蓄米が多く流通しコメの市場価格の平均が下がるほど、銘柄米の価格も少しずつ下がっていくのではという見立てもあります。