いまやコミュニケーションに欠かせないLINEなどのSNS。相手にうまく伝わらずに悩んだり、気まずい思いをしたりした経験が一度はあるのではないでしょうか。内容によってはいじめにもつながる恐れがあるSNSの誤解をどう避けるのか。気遣いのポイントや、よりリスクが大きい子どもたちに対して行われている取り組みを取材しました。

文末に「?」をつけ忘れて否定の意味に…わずかな違いから生まれる誤解


日常的に利用しているSNSでのコミュニケーションでは、誤解されたり与えたりと悩みは尽きません。




(大学生)
「文面で伝えるほうが言葉がきつく見えてしまって、それで相手が『怒ってるの?』みたいに勘違いしちゃったことはあります」
(大学院生)
「『○○じゃない?』って聞きたいのに『?』を忘れちゃって、『○○じゃない(否定)』と捉えられてしまって。間違った誤解を生んだというのはあります」

例えば、「LINE」・「誤解」と入れてウェブ検索してみると2000万件以上SNSでの誤解について取り上げるサイトが出てきます。SNSを使ったコミュニケーションなどの教育について研究している静岡大学教育学部の塩田真吾准教授は。


(静岡大学教育学部・塩田真吾准教授)
「そもそも文字でのコミュニケーションは、感情が伝わりにくいということを意識しておく。スタンプを使って感情を補完、『!』を使って感情を出す。文面以外で同勘定を伝えられるかを意識しておくと良い」

子どもはたった一言で、けんかやいじめに発展することも…

短い文章だけで感情が伝わらず、誤解を与えやすいというSNS。塩田准教授に、正しく伝えるための3つのポイントを教えてもらいました。

① 相手がどう感じるか想像する
②“!”をつける
③「ありがとう!」など感情を表す言葉を添える


例えば「来週月曜日に代休をいただいてもよろしいですか?』と送った時に、返事が「はい』だけでは、受け取った側は不安になります。逆に語尾に「!』がついていたり、「いいですよ!』みたいな一言が添えられたりしていると、「代休とってもよかったんだ』思い、安心します。

(静岡大学教育学部・塩田真吾准教授)
「伝わればいいと思うか、少し相手のことを考えてあげるかの違い。それがコミュニケーションですからね」

ビジネスでも起きるSNSでの誤解は、大人だけの話ではありません。SNSに不慣れで対面でのコミュニケーションもつたない子どもの間では、悪気なく送った一言がけんかやいじめにつながってしまうリスクも大きいと塩田准教授は言います。


(静岡大学教育学部・塩田真吾准教授)
「最近の子どもたちは、スマートフォンを持っていたり、学校でタブレットを使ったりデジタル機器を介してのコミュニケーションの機会が増えてきていますので。そういったところでもトラブルは起きています」

「これって何?無視したの?」「なんか冷たい言い方だね」と言ったところから、けんかに発展してしまうことはあり得るのです。