工場勝手口にはこじ開けたような跡

今回盗まれたインゴットは長さ34センチ、高さ5センチ、幅8センチで、重さは1個10キロもあるといいます。

実際に持たせてもらうと――

記者
「重たい。男性が片手で…持てるのは持てるんですけど、かなり重たいです」

仕入れ価格は1個1万2千~3千円。被害額は約60万円にのぼります。

犯人が侵入したとみられる、工場の勝手口にはバールで無理やりこじ開けたような跡がありました。

さらに脇道には計500キロのインゴットを積んだ車のタイヤとみられる跡が、今も残っていました。

真鍮は銅に亜鉛を加えた合金で、近年は銅の価格が高騰していたと言います。

平和合金 藤田和耕社長
「コロナの前だと銅の価値って(1キロ)600円から700円くらいだったものが、コロナ後になってから、高いときだと(1キロ)1500円くらまで(上がった)。銅のもつ価値っていうのがすごい高いと改めて認識させられましたね」

5月7日には市内の別の会社でも真鍮などのインゴット6種類、約100個が盗まれる被害が確認されています。

藤田社長は高岡の伝統産業を狙った犯行に強い憤りを露わにしました。

平和合金 藤田和耕社長
「高岡が開町して400年あまり経ってますけど、それ(伝統)を脈々と受け継いできて、いまそれを守っているのが僕たちの立場だとは思っています。この高岡銅器自体も高岡の特徴的な産業になっていると思いますし、こういったところで盗難していくっていうのは僕ら(のように伝統を)守っている人たちにとってみたら、すごい憤りを感じる犯行かなと思います」

会社はすでに被害届を提出していて、警察が窃盗事件として捜査しています。