保険金目当てに妻をトリカブト毒殺した疑いを持たれた神谷力元受刑者。しかし、彼には「鉄壁のアリバイ」がありました。ミステリー小説顔負けのトリックとはどのようなものだったのでしょう。※文中一部敬称略(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

トリカブト70鉢と毒物実験室

神谷元受刑者の周囲は怪しげな話ばかりでした。妻にかけた1億8,500万円もの保険金、そして3人連続で亡くなる妻…。それだけではありません。

神谷がどこでどういう「意志」を持ったのか、今となっては誰にも分かりません。

観賞用と称して約70鉢のトリカブトを購入したことも分かっています。
しかも東京・荒川区のアパートを借り、そこにトリカブトを持ち込み、マウスなどの実験動物と大量の水を使って「何かをしていた」というのです(大家および周囲の証言による)。

一見して「研究室」とは思えないようなアパート。それもまた偽装工作だったのかも知れません。

後に、このアパートの畳からは毒物が検出され、このアパートこそが毒物の実験室として使われていたのではないかとされています。