梅雨や台風の季節を前に岩手県は、大船渡市の山林で土砂災害の警戒が必要な箇所の点検を行いました。2月に発生した大規模な山林火災の影響も調べました。

このパトロールは毎年6月の「土砂災害防止月間」に合わせて行われているもので、6月いっぱい岩手県内各地の山林で土砂災害の危険度を確認しています。
9日は2月に発生した大規模山林火災で被害を受けたエリアを、県と大船渡市、警察や消防の職員が合同で調査しました。

職員は国が定める「落石や斜面の崩壊がないか」「堆積物はどのくらいあるか」といったチェック項目に沿って土砂災害の兆候がないか念入りに調べました。

(調査風景)
「表土の分がどれくらいあるか」
(深い?)「深い」

山林火災の被害を受けた三陸町綾里の石浜地区では、災害時に雨と一緒に流れ落ちる危険性のある土の深さを確認していました。


被災エリアでは応急対策として「かご枠」と呼ばれる、土砂の流出を遅らせるダムのようなものの設置が進められていますが、それだけでは十分ではないと県の担当者は話します。

(大船渡土木センター 鈴木嘉朗 河川港湾課長)
「下流の皆さまの避難する時間を稼いでいくていう狙いのものでございますので、くれぐれも下流の皆さまは油断しないで、こういうのができたから安心だというのではなくて、すぐに避難していただくと。そういう心がけをお願いしたいと思っております」

山林火災の延焼エリアは土砂災害の危険度が高まっていて、いつもの年以上に心配な雨の季節を迎えます