保守と革新の“分断”が先鋭化
そもそも韓国の政治は常に、軍事政権をルーツとする右派の「保守」と民主化運動をルーツとする左派の「革新」という対立軸があります。
尹前大統領と李在明氏の支持者の間では、この対立が「分断」と呼ばれるまでに先鋭化しました。

例えば日韓関係では、尹氏が徴用工問題で韓国世論の反発を押し切って日本に譲歩し、関係改善に大きく舵を切りましたが、これを李在明氏は「対日屈辱外交」だと批判しました。また、北朝鮮をめぐっては、李在明氏は「対話路線」ですが、尹氏は「強硬路線」をとり、いわゆる戒厳令を出した際には北朝鮮と共に「国家転覆を謀っている」として李在明氏が率いる野党を攻撃しました。
内政問題では、女性政策も対照的です。尹氏が女性を支援する女性家族省の廃止を訴えたのに対し、李在明氏は拡充を主張しています。

このように2人が両極端な主張で敵対したことを背景に、2025年2月の調査では「保守と革新の分断が深刻である」と答えた人は実に92.3%に上っています。