もう一人、チームの躍進に大きく貢献しているのが得点ランキングトップタイ15得点をマークしている大卒ルーキーの有田稜選手です。



有田選手
「残り3試合でチームのために点を取って得点王も取りたいなと思います」

ストライカーの有田選手は決定力に長け、守備でも前線からハードワークする万能型のストライカーです。

そうした活躍の原動力には母と兄の存在があります。

有田選手「本当、母と兄のおかげで今、自分はサッカーをやれているので、常に思っていますし、恩返ししたいなという気持ちがいっぱい」

母子家庭で育った福岡出身の有田選手。



いち早く手に職をつけるため、高校はサッカー強豪校からの勧誘を断り、地元の小倉工業高校に進学。
高校卒業後は母親を支えるためにサッカーを辞めて働こうと考えていました。

ただ、そんなときに有田選手のプレーに惚れ、声をかけたのが国士舘大学の大澤英雄理事長でした。



大澤理事長
「高校終わったら専門職で仕事をやろうという兄弟で話をされていた。僕の方でなんとかして、関東で大学でサッカーをやろうじゃないかと言って、特にゲームで相手ゴールの近くでの彼のひらめきは天性のものがあるということ」

そして「サッカーを続けろ」と背中を押してくれたのが、兄の傑(すぐる)さんでした。

大澤理事長
「おそらく兄貴が弟にやるんだったらやってこいと許してくれたのがお兄ちゃんだと思う。ですから、私の願いはこれからもずっとあいつを睨みつけていようと思い、ますまず親孝行を絶対しろと何があっても、お兄ちゃんに感謝しろと」

「サッカーを続けさせてくれた母と兄のために」



有田選手「本当、感謝の2文字だけですね、働こうとしていたのは事実ですし、母に楽をさせたいという気持ちが強かったので、今こうやってプロになれて母も喜んでいて、応援に駆けつけてくれているのでもっと恩返ししたいなと思います」

有田選手は母と兄への恩返しの気持ちも胸にあさって大一番の試合、チームを勝利に導く活躍が期待されています。

いわきFCは6日、Jヴィレッジスタジアムで行われる4位・鹿児島ユナイテッドFCとの上位対決に勝てば他のチームの勝敗次第ではJ2昇格の可能性もあります。



鹿児島の攻撃の要、ロメロフランク選手といわきの鉄人・山下選手の二人のマッチアップに母と兄への恩返しの気持ちを持つ得点ランクトップタイの有田選手に得点が生まれるのか注目です。