広島市が合葬墓を整備したのは2016年度です。「墓を管理する人がいない」という市民の不安の声を受けて、市は2012年度にアンケートを実施。およそ2000人のうち1割が「合葬墓を利用したい」と回答したことから、ニーズがあると判断しました。

初年度の申し込みは188体。2022年度から増加し始め、昨年度はこれまでで最も多い240体に増えました。現在、納められている遺骨は合わせて1309体となりました。

申し込みが増えた理由として市は、▽後継者がいないなどで墓を処分する「墓じまい」が広がっていること、▽そもそも家の墓を持たないなどの「価値観の変化」があるとみています。

広島市 環境衛生課 管理係 嘉田裕介さん
「近年、核家族化・少子化・死生観の変化でお墓を管理する跡継ぎがいない。(墓で)子や孫に負担をかけるのではという人が増えている」

広島市は今年度も新たに募集を始めていて、先月は59体の申し込みがあったということです。(※去年5月は77体)

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【スタジオ】
合葬墓を巡る県内のほかの自治体の動きです。
▽呉市は2022年度に合葬式墓地を設けて、年間200体を募集していますが、昨年度は330体の応募があるなど、毎年抽選となっています。
▽廿日市市は2019年度に合葬墓を設けて、昨年度は131体の申し込みがあるなど増加傾向。
▽安芸高田市は市民の声を踏まえ、合葬墓の新設を検討中で、8月末に方針を決める予定だということです