主食用米生産量は20年で2割減少
米不足が発生した要因は複合的です。最も大きな要因のひとつは、国が計画的に水田の生産調整を行い、生産量を減らしてきたことにあります。
農水省のデータによると、主食用米の生産量は2008年度には866万トンありましたが、その後徐々に減少し、2024年度には679万トンとなっています。この20年足らずの間に生産量が約2割も減少したことになります。

国が慌ててコメの増産に舵を切ろうとしていますが、構造的な問題が山積しています。例えば愛知県では、農業用地が減少し工業用地が増加しているほか、農家の平均年齢は68歳を超え、後継者不足が深刻な問題となっています。
このような状況から、米不足問題の根本的な解決にはまだ程遠い現状があります。備蓄米放出による対応は一時的な対策に過ぎず、生産基盤の強化や担い手の確保など、長期的な視点での取り組みが求められています。
