パレスチナ自治区ガザの配給拠点周辺でイスラエル軍が発砲し、少なくとも31人が死亡したなどとガザ保健当局が発表しました。一方、イスラエル軍はこれを否定しています。

ガザ保健当局によりますと1日、ガザ南部に設置された支援物資の配給拠点周辺でイスラエル軍が発砲し、物資を受け取りに来た住民ら少なくとも31人が死亡、170人以上がけがをしたということです。

この場所では、アメリカが主導して設立した「ガザ人道財団」による配給が行われていましたが、AP通信は目撃者の話として、イスラエル軍が300メートルほど離れた場所から発砲したなどと報じています。

一方、イスラエル軍は「虚偽の報道だ」などとして、疑惑を完全に否定。

そのうえで、「初期調査の結果では、我々は人道支援物資の配給拠点の近くまたはその内部にいた民間人に対して発砲していない」と強調しました。

ガザでの配給拠点では、先月27日にも、詰めかけた住民にイスラエル軍が警告射撃して死傷者が出るなど、混乱が続いています。

こうしたなかハマスは1日に声明を出し、アメリカが提案したガザ停戦案をめぐり、イスラエルとの間接協議を始める用意ができているなどと述べました。

この停戦案をめぐっては、イスラエルが同意した一方、ハマスはガザでの恒久的な停戦に繋がる保証を条件に付け加えることなど、修正を求めていました。

ただ、イスラエルとハマスはこれまで互いに妥協を許さない姿勢を示していて、間接交渉が再開しても、難航することが予想されます。