戦後の拡大造林から50年以上が経過し、伐採期を迎えた岩手の森。高性能な林業機械の導入により効率化と環境負荷の軽減を図る会社が一戸町にあります。ヨーロッパに通って習得した操縦技術とは。

(リポート)
「林業の世界のSDGs。それは躍進目覚ましい高性能機械によるものです」

 小型ホイール式ハーベスタと呼ばれる林業機械。木を掴んでチェーンソーで伐採、そのまま決められた長さに切り分けていきます。

 こうした高性能林業機械を使った伐採は岩手県内でもこの5年ほどで一気に広がりましたが、重要なのはその足元。建設機械などに見られる無限軌道ではなくホイール=車輪で動いています。

 それぞれの車輪が独立して上下することで斜面の凹凸を吸収し、装備されているウインチを使用すれば作業道を整備しなくても最大35度の斜面まで上ることができます。作業効率が従来より2倍から3倍に向上した上、環境負荷も少ないのが大きな特徴です。

 一戸町の製材業・柴田産業の柴田君也社長です。日本の林業界が遅々として機械化が進まないことに危機感を募らせています。

(柴田産業 柴田君也社長)
「私が大学生の頃はもう今と同じ林業の機械がうちの会社にもあったんですよ。親父が使っていて。何にも国内は変わってない。ただヨーロッパの林業とかは展示会に行っても、ヨーロッパの現場見てもどんどん機械化が進んで生産性もずっと上がっている」