新型コロナによる入国時の“水際対策が緩和”されたのに加え、歴史的な“円安”で都市部などでは外国人観光客の増加が報じられています。
コロナ禍前はクルーズ船の入港が多かった観光地・長崎。訪日外国人観光客が回復するなか“地域経済に恩恵”をもたらすための鍵とは──?
住吉 光キャスター(以下【住】):
長崎の暮らしと経済を平家達史NBC論説委員が分かりやすく解説するウイークリーオピニオンです。

平家達史NBC論説委員(以下【平】):
今回のテーマはこちらです。
水際対策緩和でインバウンドに変化は?

【住】インバウンド──訪日外国人観光客のことを指します。
先月、新型コロナによる入国時の水際対策が緩和されたのに加えて、今は歴史的な円安です。都市部では外国人観光客の増加が報じられています。
【平】いまの円安水準ですと、外国人観光客にとって日本への旅行がお得になりますから、インバウンド需要を喚起する要因の一つになるとみられます。
長崎県内の観光施設や宿泊施設ではどんな動きが出てきているのか、取材しました。
■ 外国人観光客 “ゼロ” から回復基調


コロナ前は海外からの人気が高かった軍艦島クルーズ。
コロナ禍以降、外国人客ゼロという日が続いていましたが、先月以降は目に見えて増えてきているといいます。

軍艦島コンシェルジュ 佐藤 義太郎さん:
「(水際対策が)緩和されたこともありまして、外国人のお客様増えています。
だいたい“全体の1割ぐらい”に増えてきています。一番多いのは“香港”からのお客様で、その次、韓国、アメリカですね」
インバウンド需要の回復に備え、この会社では今後『外国人客の受け入れ体制を強化』していく方針です。

佐藤さん:
「外国の方って旅行に対して期待も高いんですけど、意識も高くてですね、軍艦島をすごく勉強して来られてる方が多いので、多言語の対応ですとか、スタッフのホスピタリティもしっかりしていくよう、これからさらに準備をしていきたい」

長崎市内の宿泊施設でも、先月以降、海外からの問い合わせや予約が相次いでいるといいます。

中でも“東南アジア”からの引き合いが増えていて、担当者は、これが“まち全体の活気”につながることを期待しています。

ヒルトン長崎 石川 雅朗 宿泊セールス支配人:
「台湾・シンガポール・オーストラリアからのツアーの予約がすでに入ってきております。
以前のようにですね、外国人のお客様にも多く来ていただいて。まちの賑わいをまた取り戻していただきたい」

【住】長崎港にはコロナ前は、毎日のように“国際クルーズ船”が寄港していましたが、そちらはどうなっているでしょうか?
【平】県の国際観光振興室によりますと、国際クルーズ船の運航は、諸外国では再開されているものの、日本を含む東アジアではまだ再開されていないということです。
ただ県では、コロナ禍においても船会社や旅行会社への誘致の取り組みを続けていて、“早期の再開を期待したい”としています。