熊本市電(路面電車)の運賃が6月1日に20円値上げされます。
値上げは2023年6月以来、2年ぶりです。
熊本市電の運賃は大人が180円から20円上がって「200円」に、小学生以下は90円から10円上がって「100円」に変わります。

また通勤定期券も1か月定期が6480円から720円上がって「7200円」に、3か月定期は1万8470円から2050円上がって「2万520円」になります。
今回の値上げについて、市電の利用者は…
70代女性「仕方ないかなと思う。運転士も少ないので」
70代女性「市電は一番頼りになるけれども、値段が上がると、歩いたほうが良いかなと」
70代女性「運転士の賃金が低くて、事故も起きているから、運賃が上がるのは仕方ないかな」
定期券は5月中の購入分については、値上げ前の料金だということです。
熊本市交通局は値上げ分について、車両や枕木の更新による安全性の向上や、乗務員の処遇改善などにあてるとしています。
その市電の安全性向上に向け、熊本市の大西一史市長は交通局内に「市電再生タスク・フォース」を新設すると表明しました。
タスク・フォースとは「緊急性の高い課題解決のための臨時組織」

熊本市 大西一史市長「信頼される、熊本市電を再生するという強い覚悟を持って取り組む」
設置は6月1日付で、管理職を含む総勢16人体制で、今後、交通局内の組織体制や施設整備などの課題を洗いだし、年内にも改革の方向性をまとめたいとしています。
また、30日の記者会見で大西市長は、77か所で市電のレールの高さが基準値を超えていたことを、明らかにした上で、6月市議会に脱線防止の対策費や速度計を設置費用など市電の安全対策を盛り込んだ補正予算案を提出する方針も示しました。

なお、相次いだ市電事故の責任を明確にするとして、大西市長は自身の給与の2割を7月から3か月間、減額する条例案も提出する予定です。
◆減給(7月から3か月)
◇市長2割(計72万4200円)
◇副市長1割(計28万8000円)
◇交通事業管理者2割(38万6400円)
◆補正予算8億8900万円の内訳
◇市電の脱線防止対策費 約5000万円
◇市電の速度計設置費 約4700万円