今回の舞台は“引退試合”を行った東京ドーム

足をつりながらも投げ続けるイチローさん
記者:
場所は東京ドームとなるとやはり最後の(引退)試合を連想する人がたくさんいると思うんですけど、イチローさんにとっての「東京ドーム」という場所は今はどういう風に焼き付いている球場ですか?

イチローさん:
いや、あのまま止まってます。2019年3月21日、あの状態で止まっています。

記者:
その「あの状態」っていうのを言葉にしていただくとイチローさんの脳裏に焼き付いてるのはどの状態、どの部分ですか?

イチローさん:
えっとね、僕プロ野球選手になって94年にレギュラーとして初めて出るんですけど、360度から応援される選手になりたいなって。でもそれは時間が経てば経つほど無理だなって思うようになったんですよ。だって無理ですよ、相手のファンもいるから。無理なんだけどあの瞬間はそうなったっていうね。それがもう僕が94年20歳の時に、まぁ21になる年ですけどあの時に抱いた思いがこんな形で本当に叶ったんだって。まぁ(菊池)雄星が泣くから僕は泣けなかったけど、それはどんだけ我慢したか。

記者:
その時の東京ドームで止まってる、言ってみればすごく良い記憶として止まっているところにあえて今回また、飛び込む、今度はどんな景色を期待しますか?

イチローさん:
いやわかんないですけど、でもお客さん入れますから。あれから3年半以上経った状態になるんですけど全然分からないですね。分からない。ただ違うユニフォームを着て、まぁマウンドに立ってるっていう。全然違うんだけど、でも野球のユニフォーム着て東京ドームに立つっていうのは新しいスタートをきった証というかね、なんかそんな気持ちになるんじゃないでしょうか。

記者:
ここへ来るお客さんは、何を見せてもらえると思ったらいいでしょうか?

イチローさん:
まぁこういうケースってちょっと遊びっぽく見てる人に見られるケースだと思うんです、そういうこともある。だけど全然そうじゃないですよ。もう真剣勝負なんで。それが見られると思います。

記者:
「KOBE CHIBEN」でやっぱり戦わなくちゃいけないんですかね?イチローさんの中では。

イチローさん:
そこはそうね。引退する時に「草野球やってみたい」って言ったんですけど、実際それがそのオフっていうか19年の冬、秋に実現して、それでスタートしてますから、当然このチームは大事にしていきたい。ただチームの中のメンバーはね、もちろん変わっていく、まぁ仕方がなくね。それは変わっていくんですけど。でも「KOBE CHIBEN」っていうチームは智弁和歌山の藤田理事長から「智弁」をもちろん漢字は使わないですよそこはもう。そこは僕たちが踏み入れてはいけない聖域だと思ってますからローマ字で書いてあるわけですけど、ものすごく大事な「智弁」、神戸は僕にとって日本でのホームですからそれが合わさってるわけですから、まぁ当然ですね。

記者:
始めた当初はボールも軟球でね、軟式で、草野球チームでしたけど。

イチローさん:はい。

記者:
今は硬式を使ってるし、このチームは本当に草野球チームなんでしょうか?

イチローさん:
草野球の定義って軟式ですよね。だから違います。草野球じゃないです。けどやっぱ硬式面白いんで。軟式のほうが難しいですけど面白いのは硬式っていうね。

記者:
今年の「KOBE CHIBEN」は、どんなチームで女子に挑むんでしょうか?

イチローさん:
いやー僕らね、選手層めちゃくちゃ薄いですよ。そもそも数がいないんで。

記者:
平均年齢も高いしね。

イチローさん:
平均で言ったらどれくらいになるんだろうね。40、50超えるかな。どうだろう?40、でも50前後になるだろうか。(※実際は45歳超)

記者:
去年みたいに昨日まで元気でも。

イチローさん:
そうなんですよ。そうなのよ、いやだから、なるべく今回はチームとしての練習を早めにできたらなあ、とは考えています。まぁ助っ人、助っ人っていうか、もうユニフォーム渡してるからチームメイトなんだけど、それはめっちゃ大きいですね。

記者:
その辺はどんなところを考えているんですか?

イチローさん:
えっと僕のイメージは4番を打ってほしい。で、ショートを守ってほしいって思ってるんですよ。松坂大輔に「18番」を渡してるんですよ。「KOBE CHIBEN」の「18番」です、松坂大輔。で、まぁ僕の中のルールとして、1軍でバリバリやった人間はね、その選手の本職だから、大輔で言ったらピッチャーですよ。まぁそれは無いよなって。「ピッチャー」以外で大輔は。僕は外野以外、まぁピッチャー、キャッチャー、内野。一応そういうルールを勝手に決めてるんですよね。だから大輔にはショートを守ってもらいたいんです。

記者:
他に去年、出なかった選手で考えてる選手は?

イチローさん:
通訳のアラン(・ターナー)が来ます。

記者:
イチローさんが目指してる、この先の野球との関わり方みたいなところっていうのは、どういう風に言葉にして自分の中で持ってらっしゃるんでしょうか?

イチローさん:
高校野球と関わるようになって、ほとんどプロの野球選手にはなれないですよ、まぁ当然ですよね。でも彼らは一緒にプレーした、練習した、2日なり3日なりをきっとこの先もずっと持って行ってくれるんじゃないかなって。で、どこかで思い出してあの時イチローこうやって言ってたなとか、こういうことかっていうことがなんかあるような気がするんですよ。だからどんな大人になっていってくれるのかなとか、まぁもちろんプロ野球選手になってその後、活躍してそれももちろん1つの形ですけど、でもほとんどはそうじゃないので。何を感じてくれるかは分からないんですけど、まぁそれなりにそれぞれの解釈で何かこう答えを自分なりに導いて、あの時間を思い出してくれる。なんかそういうそれって、いいなって思います。