2年かけてこっそりお小遣いを貯め、19歳で家出

 ブレイクしたのは40歳と、遅咲きのいとう。父も兄も東京大学出身というエリート一家で育ち、小学校から高校まで“御三家”の一つ・雙葉学園に通う“箱入り娘”だった。

 そんないとうの人生が大きく変わったのが、19歳の頃。高校卒業後は進学せず、「図書館に勉強に行きます、って言ってそのまま」両親に行先を告げることなく家を出た。背中を押したのは、同級生に教えてもらって知った尾崎豊の音楽だったそう。「尾崎豊さんの歌を聴いた時に、びっくりしちゃって。大学、就職、結婚して子供を産んで…っていうのが普通だと思っていたのに『大人の敷いたレールを走るって何だ?』って問いかけられるというか…。本当にいろんなこと知らないなぁと思って」と、当時の心境を打ち明けた。

 ロフト込み3畳の激狭アパートを借り、住み始めた。「3~4日で見つかりましたね。アパートに帰ってきたら(親の)車があって。かといって追いかけてくるとかじゃなくて、『あ、生きてるね』の確認というか」と振り返ったいとう。今では両親との関係は良好だが、実家には戻っていない。「家出しっぱなしっちゃあ、しっぱなし。出たまんま」とあっけらかんと語った。