原発事故に伴う避難指示が大部分で解除されてから9年となる福島県葛尾村では、深紅の花を咲かせる「クリムゾンクローバー」が見ごろを迎えています。

佐々木夢夏アナウンサー「いちごの果実のような花を咲かせるこちらは、クリムゾンクローバーです。畑一面を鮮やかな赤色に染めています」

クリムゾンクローバーは別名・ストロベリーキャンドルとも呼ばれるマメ科の植物で葛尾村の15か所に復興のために植えられています。

葛尾むらづくり公社・松本民子さん「(原発事故で)避難している間に土が痩せちゃったんですよね。それで何かないかなということで、この種が役場から配られたのがきっかけです」

この花には農地の地力を回復させる効果があり、葛尾村では除染の為に表土がはぎとられた村の農地を回復させようと、村と農家が2017年から栽培してきました。はじめは観光目的ではありませんでしたが、その美しさを一目見ようと多くの人が訪れています。

いわき市から来た人「感動しました一面だからすごいですよね」

フォトスポットとしても人気を集めるクリムゾンクローバーのおすすめの楽しみ方は…。

松本さん「高台で見るよりちょっと下から見るといい感じに見えるんです」
佐々木アナ「たしかにこの目線で見るとまた違ってみえますね。本物のイチゴがずらっと並んでいるみたいでかわいい」

今年は例年より数日遅く、2週間ほど前から咲き始めたというクリムゾンクローバー。見ごろが終わると、こちらの畑にはソバの花が植えられるということです。

松本さん「(葛尾村は)花に支えられて、お客さんにも支えられていますので、これからどんどん繋いでいって絶やさないでいきたいと思っています」

葛尾村のクリムゾンクローバーは、5月いっぱい楽しめるということです。