コメ卸売業者が抱える“流通革命”への不安
しかし、飛ばされる形の卸売業者を取材すると、事はそんなに簡単ではないと反論しています。備蓄米は卸売り業者に玄米で持ち込まれ、検品、精米されます。その後、袋詰めされ、出荷されるのですが、時間は早くても1週間近くはかかるといいます。実は、私が取材した業者では100種類の品種のコメを扱っていて、その精米から出荷までの作業も同時に行っています。それらの決められた過密スケジュールの中、備蓄米だけを特別扱いした専用ルートは事実上難しいといいます。

「うちら卸売りを飛ばしてどう流通されるのでしょうか」卸売り業者からは、不満と未来への不安が垣間見えます。アパレルなど卸売りを飛ばす「中抜き」が主流になった今、コメ流通の世界にも同じような「流通革命」が起きることへの不安に見えました。