社会復帰の難しさ

中溝茂寿(なかみぞ/もとひさ)さん(59)

履歴書の中にできる空白が中溝さんを苦しめてきました。

中溝茂寿さん「面接に行っても、この期間何してたんですか?ニートしてました。え?その年で?と言われる。自分の名前で検索すれば色々事件が出てくるから受かってもバレたらクビですよ」

福岡市で受刑者の支援活動を行う中溝さん

かつて、覚醒剤の使用や傷害などの罪で8回の実刑判決を受け、あわせて20年以上服役した元受刑者です。刑務所の変化についてはどのように感じているのでしょうか。

カオサポート博多 中溝茂寿代表「今までの刑務所はただ懲らしめるだけ。変わるのが遅すぎる」

中溝さんは再犯を防ぐためには受刑者本人の更生だけではなく、出所後に生活できる環境を整えることも重要だと話します。

カオサポート博多 中溝茂寿代表「働く場所、住む場所があれば刑務所に行かなくて済むし再犯しなくて済む」

服役によって履歴書の中にできる空白期間が就職の大きな壁になります。これまでに多くの元受刑者をサポートしてきた元保護司の女性も、そのような実態を何度も見てきました。

元保護司の女性「働きの場がないとお金にならないので、それで結局昔の知り合いを頼ってしまって同じ罪を繰り返す」

女性は、これまでの刑務所内での生活と出所後の生活との差が大きすぎたことが、再犯防止に繋がらなかった原因の一つとして考えられると指摘します。

元保護司の女性「出所直後にうどん屋に連れて行くとフーフーして食べていいと?と言う。45~50歳くらいのおじちゃんがですよ。刑務所内で温かいものはなかったんだねと言うと、ないないと」
カオサポート博多 中溝茂寿代表「刑務所にいる時から流れを作ってあげる。スムーズに社会復帰ができるように。第二次・第三次の被害者を作らないために」