ポケモンが築いたメディアミックスの金字塔
野村:
まさに空前絶後の成功ですね
中山:
私の本でも「空前絶後、前人未到」と書きましたが、ポケモンはゲーム、アニメ、カードゲーム、映画、そして『ポケモンGO』のような新しいテクノロジーとの融合と、あらゆるメディアを横断して成功を収めてきました。ハリウッド映画化された『名探偵ピカチュウ』も記憶に新しいです。
野村:
これだけの巨大IPに成長した要因は何だとお考えですか?
中山:
ひとつは、初期の段階で任天堂がゲームフリークという才能ある小さなチームのポテンシャルを信じ、サポートし続けた慧眼でしょう。そして、アニメ化における『サトシとピカチュウ』という発明、岩田聡さんのような天才による海外展開の推進力。
さらに、一度低迷しても諦めず、『ポケモンGO』のような新しい挑戦で時代と寝食を共にしたこと。そして、デジタルとフィジカル(カードゲーム)を見事に連動させたメディアミックス戦略の巧みさ。これらの要素が奇跡的に組み合わさった結果が、今のポケモンなのだと思います。
株式会社ポケモンの社員数もこの数年で10倍近くに増えたと聞いており、その勢いはとどまるところを知りません。ポケモンは、キャラクターIPビジネスにおける一つの到達点を示したと言えるでしょう。
<聞き手・野村高文>
Podcastプロデューサー・編集者。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、NewsPicksを経て独立し、現在はPodcast Studio Chronicle代表。毎週月曜日の朝6時に配信しているTBS Podcast「東京ビジネスハブ」のパーソナリティを務める。