山での遭難事故は、2024年の発生のうち、半数以上が5月と6月に集中していて、青森市では27日に看板が設置されました。被害防止の取り組みと、遭難したさいに救出を待つための方法を聞きました。

春の山菜採りシーズンに合わせて、青森警察署は27日、青森市雲谷に遭難防止を呼びかける看板を3か所に設置しました。

設置したのは、山菜採りで訪れる人が多く、通行量の多い道路わきです。

看板には、入山時に必要な携帯電話などの持ち物や、家族に事前に行き先を伝えることなどの注意点が記載されています。

青森警察署 外﨑正文 地域官
「万が一迷った時のことを考えると、携帯電話を確実に持ったうえで入山していただきたい。入山する人の個人個人の心がけ、山に入ったら遭難の危険があると自覚していただきたい」

こうした注意喚起は毎年繰り返されていますが、山菜採りに伴う山岳遭難は後を絶ちません。

2025年に入ってからの山菜採りによる遭難は、すでに10人に上ります。このうち9人が70歳以上で、山に慣れたベテランでも道に迷うケースが多いと言います。

県警察本部 地域課 清野るみ子 次長
「道に迷う・転ぶ・落ちる・クマに会う・体調不良・体力不足こういうリスクが誰にでも伴います」

事前の準備をしてもなお、遭難してしまった場合、重要なのが自分の存在を捜索隊に知らせることです。上空から見えやすい服装は「赤」や「オレンジ」「黄色」など『暖色系』です。

ただ、紅葉のシーズンなどはこちらも見えづらく、ほかの手段として持っているタオルを使うことも有効です。

県警察本部 地域課 清野るみ子 次長
「体力の消耗や滑落などの防止のために、歩き回らずに救助を待っていただきたい。ヘリコプターの音が聞こえたら空が見える場所で、タオルなどを振っていただきたい」

また、こうした持ち物がない場合でも、木を大きく揺らすなどすることで自分の存在をアピールすることが必要です。

県内の遭難事故は2024年、5月と6月で半数以上となっていて、山を楽しむためにも事前の準備と対応が求められています。