主屋の奥にあるのは、建物よりもさらに古い1909年=明治42年に造られた蔵です。

平井さんは2023年から、ここでもう一つの事業「平六醸造」を営んでいます。

(平井佑樹さん)
「(蔵の中にまた小さな蔵が入っている?)そうです、そういうことです」

平井家は2021年、盛岡市で営んでいた「菊の司酒造」を別の会社に譲渡しました。
その後、平井邸の蔵の中に小さな醸造蔵を新たに設置し、コメにフルーツなどの副原料を加えて発酵させる「クラフトサケ」の醸造を始めたのです。

一番人気はこちらの「layerリンゴ」。
紫波町産のリンゴの香りとコメのうまみのバランスが絶妙で、さわやかな酸味はこれからの季節にピッタリです。

平井さんの新たな挑戦を、地域の人たちは幼馴染との再会のようなどこか懐かしさを感じながら歓迎しているようです。

(平井佑樹さん)
「僕たちだけじゃなくて、町の人たちにとってもやっぱそういう思い出があったんだなっていうのに気づかされまして。やっぱり開けて良かったなっていう」

長きにわたり地域の歩みを見つめてきた「日詰平井邸」。
この歴史建造物はいま、カフェとして、そしてクラフトサケの醸造所として新しい物語を紡ぎ始めています。

日詰平井邸はカフェの営業とクラフトサケの醸造という「二刀流」のため、定休日が木曜、日曜、奇数週の土曜日と変則的です。ご注意ください。