
熊本県立熊本高校は、毎年、東京大学・京都大学への合格者が30人ほど輩出する熊本県内屈指の進学校校です。

真剣な表情で授業を受ける生徒の机上には、なぜかタオルが。
ラグビー部の生徒「汗かくからです。最近特に汗かくんで」

彼が所属するのはラグビー部です。
熊本高校ラグビー部は2025年の県高校総体で大きな目標があります。
2年 松永悠亜選手「まずは県で優勝」
3年 甲斐大貴選手「総体優勝」
キャプテン 松本選手「もちろん優勝です」
彼らは1993年以来となる32年ぶりの優勝を目指しています!

2025年1月に行われた新人戦で熊本高校は28年ぶりの決勝進出を果たしました。
相手とフォワードの平均体重を比べると、熊本高校は15kgも軽く、重さで不利な状況でしたが、1人で敵わないなら2人でと、体格で勝る相手に必死に食らいつきました。一時は逆転したものの、29対19で敗れました。この時、初めて選手たちは「優勝」を狙えると思ったと言います。

ただ、熊本県内の多くの高校が、花園かけた秋の大会まで部活動を続ける中、熊本高校の3年生は、5月末に始まる総体を最後の大会として引退し、受験勉強に備えます。

キャプテン 松本選手「他のチームと違って、この総体を機に引退をして早めにラグビーを去っていく。そのあとの受験勉強への切り替えにもしっかりつなげられるような気持ちのいいすべてを出し切ったと思える試合にしたい」

勉強時間を確保するため、部活動は週5日まで。平日の練習は長くても2時間と決めています。
その中で、優勝を目指すためのこだわりが「3つ」あります。

1つ目はタックルです。
キャプテン 松本選手「熊本高校はディフェンスに重きをおいて練習している」
大きい相手には2人で立ち向かう「ダブルタックル」を徹底します。
さらに、首を使って相手を離さないタックルをするために三点倒立のトレーニングも取り入れています。
キャプテン 松本選手「腕と頭、両方で支えるので、バランス感覚やタックルの首の使い方を練習できている」

2つ目はスタミナです。
粘り強いディフェンスにはスタミナが必要不可欠。練習メニューの間にこのバウンスを挟むことで選手に休む隙を与えません。
2年 辻勘大選手「きついですけれど、ここで培った忍耐力は試合に活かされるので気合でやり切っています」
練習も終わりに近づき疲労がたまっている中ですが、ここでも、伏せて、起きてタックルを繰り返すというハードなメニューが待っていました。

そして3つ目は進学校ならではの「考える力」です。

ミスが起きたらまずは選手達が原因を考える。選手達が率先して話し合います。
岡村監督「目指しているものに向かってみんなが意見を出し合って、一緒に上っていく姿はうちの特徴」

まさに、泥臭さ×考える力=熊本高校ラグビー部です。
キャプテン 松本選手「決して楽な試合にはならないと思う、前回のようなロースコアな試合になる可能性も高いそのような状況でもそのスコアを死守して勝ち切れる試合をしたい」

熊本高校の初戦の相手は、濟々黌と東海大星翔の合同チームに決まりました。試合は5月30日です。