「立ったまま押しつぶされた」身長154cmのアナも満員電車で経験が


―――可能性③「立ったまま押しつぶされた」。韓国の「朝鮮日報」によりますと一部の報道機関では、消防当局の話として「犠牲者たちは下敷きになって圧死したのではなく、立っている状態で押しつぶされて圧死した」と報道されています。これを一宮市立市民病院の山口均救命救急センター長に聞きますと「圧迫されたことによる窒息は、上から下からではなくて水平方向でも起こりうる」「胸の厚みが半分ぐらいになるほど押しつぶされると、肺が膨らまず息ができなくなってしまう」こういったことが考えられるということです。

―――実は野嶋紗己子アナウンサーは満員電車で危険な目に遭ったことがあるそうですね。

(野嶋アナ)
大学生のときに通勤ラッシュで押しつぶされる経験があり、息ができなくなって目の前が真っ暗になって倒れてしまい救急車で運ばれました。私の身長は154センチですが、周りの人たちがカバンを持つ高さが私の顔辺りです。そのため息ができる空間を確保できずいつの間にか意識が遠くなっていくという経験でした。


―――群集事故の発生要因を廣井教授に三つにまとめてもらいました。

その① 狭い坂道という立地で前の状況がわからないまま人がどんどん流入したのではないか
その② 警備態勢です。警備の体制は十分だったかどうか、検証する必要がありそうです。
その③ 心理的な要因、人々がパニック状態になった可能性もあるのではないか。現地を知っている人によりますとと、お酒を飲んでる人や踊っている人など非常に賑やかな状態だったのが、一気にパニック状態になったんじゃないかということです。

(廣井教授)
1回過密空間が発生してしまうと、そこから脱出するのは極めて難しくなりますので、そういう状況を発生させないことがまず一番重要です。発生してしまったら誘導員や警備員の指示にちゃんと従うことと、落ち着くことですよね。そもそも人が集まってしまうとちょっと興奮状態になりやすく、我先に移動しようとかそういう人が多くなるんですが、落ち着くということがとても重要なんじゃないかなと思います。
(2022年10月31日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)