新たな方針“随意契約” 専門家「価格は下がる。一方で課題も」

一方、コメの価格を下げるために、小泉大臣が打ち出した新たな方針が「随意契約」です。

これまで備蓄米は、複数の業者の中から高い金額を提示した業者による競争入札でしたが、これを特定の業者に売り渡す「随意契約」に変更する方針を表明しました。これにより、価格を抑えやすいといいます。

また、売り渡し先については…

小泉進次郎 新農水大臣
「スーパー・外食の方々も含めて、幅広く随意契約によって、現場に届けていければと考えています」

政府と小売店が直接契約することもあり得るというのです。

東京・杉並区にある大正15年創業の「森田屋米店」には、備蓄米が入ってくる予定はありません。

森田屋米店 森田ひろみさん
「この中(店頭に出している種類)から5キロまで。6、7、8、9月と、あと4か月間ももたせなきゃいけないの、在庫を」

政府と小売店が直接契約することも可能とする小泉大臣の新方針については、こう話しています。

森田屋米店 森田ひろみさん
「直接うちみたいなコメ屋だと、精米機があるからそれはできますけど、スーパーさんであっても、どこか精米の会社かなんかを置かないと、ワンクッションはやっぱり必要じゃないですか。1か所くらいは中に入らなきゃ、うまくいかないんじゃないですか」

専門家も「随意契約で価格は下がる」とした上で、課題をこう指摘します。

東京大学大学院 鈴木宣弘 特任教授
「できるだけ末端に早く行き渡らせようとしても、精米能力とか色んな流通コストの問題はありますので、(備蓄米は)無制限にあるわけじゃないので、その部分である程度下がっても、全体の価格をどれだけ引き下げる効果があるかっていうのは、そんなに大きくはない可能性があります」