失言防止 6つの「た」とは?

高柳キャスター:
永田町に伝わる、「失言防止の極意」というものがあります。「気をつけるべき6つの『た』」これはどういったものですか?

TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
政治家の失言のほとんどが、政治資金パーティーでのリップサービスや、ウケ狙いで起こります。そういう場での失言に気をつけるために、伊吹元衆院議長の議員への訓示があります。

伊吹元衆院議長の訓示 気をつけるべき6つの「た」

~自分の失言で影響は?~
▼立場をわきまえる

~ついついリップサービス~
▼旅先
▼多人数の場

~こんな話は要注意~
▼他人の批判
▼例え話
▼正しいと思っていること

江藤前大臣は、出張先での発言や多人数でのパーティーでの発言、さらには大臣としての立場をわきまえなかった発言でした。政治家が失言するときは、大体これに当てはまると言えると思います。

出水麻衣キャスター:
民間企業だとコンプライアンス研修がありますが、永田町ではそのような研修はあるのでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
新人議員を対象にした研修はありますが、実際は先輩に直接指導を受ける、オンザジョブトレーニングで仕事をしながら覚えていくということが多いです。そのため、人によって非常に硬い人と何回も失言する人が出てきます。

高柳キャスター:
過去にも失言をした議員がいました。まずは第2次岸田内閣で法務大臣を務めていた葉梨衆院議員です。2022年の都内のパーティーで、「法務大臣は死刑のはんこを押す地味な仕事」という発言がありました。

TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
このときは一時、岸田前総理が葉梨氏を続投させようとして判断が少し遅れました。その結果、発言から2日後に更迭されることになりました。

当時、岸田前総理は東南アジアの出張を控えていて、私は取材に同行するために政府専用機に荷物を預けて乗り込もうとしたときでした。しかし、岸田前総理の決断が遅れた結果、外遊が1日延びてしまったということがありました。

当時は旧統一教会の被害者救済に向けて、政府が一丸となって取り組もうとしていた最中での、所管大臣の1人の発言だっただけに、更迭は避けられませんでした。

井上キャスター:
総理は任命権者として、どこで判断をするのか、1日でも数時間でも変わってしまいますね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
様々なバリエーションがあります。安倍政権のときは菅官房長官や今井秘書官がとても危機管理にうるさかったので、かなり早い段階で更迭を決めることがありました。

また政治家ですから、情があって「もう少しやらせたいな」というのがあると、少しタイミングが遅れることもあります。それが政権にとってダメージになるというのは、今まで何度も繰り返されてきたことですね。

井上キャスター:
今回の石破総理の判断はどうでしたか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
今回の判断は、問題を少し軽く見ていたことと、野党側がこんなに結束するとは思っていなかったという情報不足もありました。加えて、今一生懸命やっているところだからもう少しやらせたいという温情もあったと思います。

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<プロフィール>
室井祐作
TBS報道局 政治部デスク 元官邸キャップ
過去石破氏の番記者を担当

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年