「コメは買ったことがない」などと発言した問題で辞任した江藤前農水大臣。失言よって辞任に追い込まれる閣僚は過去にもいましたが、なぜ後を絶たないのでしょうか?
後を絶たない“失言大臣”
高柳光希キャスター:
たった一度の失言が、現職議員たちを更迭へと追い込んできました。

今回は5月18日でした。政治資金パーティーでの江藤前農水大臣の「コメは買ったことがない」という発言。これを受けて21日、事実上の更迭にまで追い込まれました。そこに新農水大臣として抜擢されたのが、小泉進次郎氏です。室井さん一連の更迭劇は、今後の政局にどんな影響が考えられますか?
TBS報道局 政治部デスク 室井祐作:
今回の更迭の流れを見てみますと、野党にとっては一つの成功体験ができたのではないかと思います。これまでの閣僚の辞任と違い、今回は立憲民主党・維新の会・国民民主党など野党5党が、結束して江藤前大臣の更迭を求めたことによって潮目が大きく変わりました。

少数与党の状況下で、野党が江藤前大臣の不信任決議案を提出すれば、衆議院では野党の方が議席が多いので可決される状況でした。これが大きな要因となって、江藤前大臣の辞任に繋がったので、「野党が結束さえすれば大臣を辞めさせられる」という一つの成功体験を得ることができたと思います。
それはつまり、今後内閣不信任案を野党が結束して出せば、可決されるという状況です。失言一つで内閣が吹き飛んでしまう可能性があることを見せつけた、と言えると思います。会期末まで残り1か月の中、内閣の不信任案が出るかどうかというところで、石破内閣はより緊迫した状況下での政権運営を強いられると思います。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
「コメ」という非常に関心の高い問題で失言があったということと、このままでは目前に控える参議院選挙に影響を与えるということで、更迭せざるを得なかったと思います。裏を返せば、小泉大臣には参議院選挙に向けた体制の立て直し、自民党の人気回復が求められるのだと思います。
井上貴博キャスター:
私自身公の場で発言する機会のある仕事をしていて、「この発言をしたらどう受け取られるだろうか」と考える癖を持っています。政治家の皆さんはもっとお持ちのはずなのに、なぜ失言が繰り返されてしまうのでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
例えば、毎日2回記者会見をしている林官房長官は「絶対失言しない」ことで有名です。みんなガイドラインは大体わかっているが、地元であったり、自民党のパーティーなどで少し踏み外すということがいつも失言が起きるパターンです。いずれも日常的に失言してるわけではありませんので、状況によっては少し油断してしまうというケースが多いです。