弁護士になるには――“1万時間”の覚悟と責任

「ロースクールでは“1万時間の法則”という話をします。1日10時間×3年で1万時間。それを続けられるかが、最初の分岐点です。ただ、これが本当に大変で…(苦笑)」。
福島氏は現在もロースクールでの学生支援に携わっており、「努力が結果に結びつく試験」と語る。
一方で、その先にある弁護士としての責任の重さも日々実感しているという。
「弁護士は、人の人生を背負う仕事です。1つ1つの判断が依頼者の人生に影響する。そのときに、依頼者が主人公ということを忘れず、依頼者と向き合うことを大事にしています」。
エンタメが癒やす日常

福島氏が法律監修という立場でエンタメ作品に関わるのは、単に法的正確さを担保するためではない。その背景には、「裁判が終わったあと」に寄り添いたいという、もう1つの理由がある。
「弁護士の仕事は事件が終わったら一区切りになるのですが、依頼者にはその後の人生が続きます。だからこそ、人生に寄り添える存在が必要だと思っていて、それがエンタメだと思うんです」。
本作への参加は貴重な経験であり、現場スタッフの熱量に多くの刺激を受けたとも語る。
「現場スタッフの方々と多くの時間を共にし、同じプロフェッショナルとして、改めて熱量の大切さを学び、“焚きつけ”られました。これからもエンタメに携わり、少しでも“楽しい時間”が世の中にできるといいなと思っています」。

最後に、「依頼人の熱量を一番近くで受けて、その人のために行動できるのが弁護士のやりがいです」と語る福島氏。現実の法廷とドラマの現場とを往復するストーリーはこれからも続く。