死刑“最多”のテキサス州 情報を公開し議論促す考え

アメリカで最も多い数の死刑が執行されたテキサス州に「死刑の首都」と呼ばれる町がある。人口約4万8000人の「ハンツビル」だ。
州内で唯一、処刑室があるハンツビル刑務所では、アメリカで死刑執行が再開された1982年以降、最多となる594人が処刑されている。

記者
「ハンツビル刑務所の近くにある墓地には、家族から遺体の引き取りを拒否された死刑囚たちの墓標が立ち並んでいます」
世界では死刑廃止が潮流で、現在7割の国が死刑を行っていない。先進国の中で、死刑執行を続けているのは日本とアメリカの一部の州だけだ。
アメリカでも死刑執行を続ける州は減少傾向だが、テキサス州には「州が死刑制度を維持するのであれば、市民に死刑の実態を公開し議論してもらいたい」との考え方がある。

記者
「テキサス州の刑事司法省の公式ホームページには、死刑囚の名前や人種などを記した全員分のリストが公開されています。クリックすると、死刑囚の顔写真や事件の概要、被害者の人種など、情報は詳細に渡っています」
日本では、死刑囚は親族など限られた人以外には、会うことも手紙のやりとりをすることさえできない。
一方、テキサス州では確定死刑囚になっても、面会や手紙、メッセージを送受信するネットサービスを使って外部との交流を行うことが可能で、デネス死刑囚もその一人だ。