青森市の清掃工場でスマートフォンなどに使われる「リチウムイオン電池」が原因とみられる火災があったことを受けて、市は10億円をかけて対策工事を行い、10月から本格稼働することになりました。

青森市鶴ヶ坂早稲田にある清掃工場は、「燃えるごみ」や「燃えないごみ」など回収したごみの粉砕や選別処理を行う施設です。

この場所では、2020年に粉砕したごみを運ぶベルトコンベヤに火が付き、工場の一部が焼けました。

その後、破砕工場の稼働を停止していましたが、10億円をかけて対策工事が行われ、仮の稼働をしています。

島元萌々子 記者
「以前火災があったごみを運ぶベルトコンベヤを今回新しく、燃えない金属製のものに変更しました」

火災の原因は「リチウムイオン電池」とみられています。
スマホやワイヤレスイヤホンなどに使用される「リチウムイオン電池」は、強い圧力や衝撃で発火する恐れがあり、本来回収されない“ここにあってはならないごみ”と言います。

青森市清掃工場 小関順司 工場長
「スマートフォンとか多いんですけれども、ひげ剃りとかですね。最近気を付けないといけないのは、電子たばこの機械やイヤホンの関連とか」

工場の職員は約40トンの廃棄物の中に、「リチウムイオン電池」が毎日20kgほど混入すると言います。

青森市清掃工場 小関順司 工場長
「(リチウムイオン電池は)清掃工場には入ってほしくないごみ。ごみ収集場所に出すことなく、市役所あるいは市民センターに設置されている『回収ボックス』に出していただきたい」

清掃工場では、このほかベルトコンベヤ内の「火炎検知器」と「消火散水ノズル」を増設し、火災への備えを強化しました。

10月からは本格稼働する予定です。

リチウムイオン電池とは?

リチウムイオン電池は充電式の電池で、スマートフォンやイヤホン、モバイルバッテリーなどに使用されています。青森市清掃工場の小関工場長によりますと、リチウムイオン電池を含む製品は「清掃工場の破砕処理の段階で、強い圧力や衝撃が加わると発火する恐れがある」ということで非常に危ないということです。

そのため、処分する時は「ごみ収集場所に出すのではなく、市役所や市民センターの回収ボックスに入れるなどして、判断に迷った場合は、販売元に問い合わせてほしい」と呼び掛けています。