―――11月になりました、また値上げです。

これで止まるんじゃなくて、年末年始もずっと上がっていく雰囲気です。1ドルが150円になりましたよね。実はこの影響が出てくるのは、2ヶ月ぐらい後です。今店頭に並んでいる商品は、1ドル135円程で契約していて、今1ドル150円で契約したものは、船で運んで店頭に並ぶまで2ヶ月ぐらいかかりますから、お正月ぐらいに一段高になるんでしょう。

―――政府は29.1兆円規模の総合経済対策を発表し、電気代支援などに6兆円を充てるとしています。試算では、一般的な家庭の毎月の電気代、ガス代、ガソリン代、合計5000円くらい軽減でき、来年1月から9月の期間で合計4万5000円くらい軽減できる見込みだといいます。ただ方法としては「事業者への補助」なので、直接我々に振り込まれたりするわけではないです。

―――これに対して荻原さんの印象は「遅いし少ない」。

はい、例えば電気代を下げるなんていうのは、政府が電力各社に電話して「来月から2000円分安くするから、その分ウチに請求書を回してよ」って言えば終わる話です。それを延々と議論しているわけです。しかも補助金を入れたりなんてやっているから本当に遅いし、小さくなっていくし、残念です。なぜ9月までなのか、一応夏の電力供給を越すという話なんでしょうが、何か見通しがあるのか、という気がします。ちゃんとやろうと思うなら、もう1回みんなに給付するとか、もしかしたら消費税を下げるとか、そういうことをしないと皆さんは実感できないと思います。

―――現金給付については、一方でバラマキにならないか、みたいな話もありますが。

今は本当に家計が逼迫していて、物の値段がどんどん上がっているのに、給料と年金だけは上がらないです。下支えしようと思ったらそのぐらいのことを考えなければいけないと思います。

―――政府の税制調査会で消費税に関する議論が行われました。委員からは「未来永劫、消費税10%のままでは日本の財政が持つとは思えない」「今後の高齢化に合わせて引き上げについて考えていく必要がある」など増税の声が上がっていました。

(豊田真由子元衆院議員)
税制調査会って、学者さんとか、経営者とかなので、政治的に国民がそれを受け入れてくれるかとかいうことは全然考えてなくて、財政再建とか健全化ということから筋としてはこれがいいよねって言ってるだけなので、これをもって直ちに消費増税に政策として実現しますってことは全然ないです。党税調の政治家で、今このタイミングで消費税を上げることが可能だと思っている人はあまりいないので、そこはちょっと切り分けた方がいいと思います。

物価高は、その場しのぎで対策を打っても仕方がない。海外も物価は上がってるんだけど賃金も上がってる。日本には、こっち側がないことが問題なので、もっと競争力を上げるとか、投資をするとか、デジタル化するとか本当はそのことを政府は頑張らなきゃいけない。