南米・パラグアイの大統領が、初めて広島市の平和公園を訪れました。広島から移住した人も多く、核問題にも取り組んでいる国です。

パラグアイのペニャ大統領は大阪・関西万博で「ナショナルデー」が開かれたのに合わせて来日し、20日は夫人とともに平和公園を訪れました。

ペ二ャ大統領は、現地の子どもたちが折った折り鶴を捧げました。

原爆慰霊碑の前で出迎えたのは、岸田文雄前総理。1年前に現職の総理としてパラグアイを訪問し、ペ二ャ大統領とも会談しました。2人は慰霊碑を参拝しました。

このあとは岸田前総理と会談。パラグアイは大豆や肉の生産が盛んで、大統領は日本側に輸入などの協力を求めたということです。

パラグアイ ペ二ャ大統領
「パラグアイと日本は100年以上の外交関係が続いています」

広島から移住した人も多いパラグアイ。呉市出身の家族が経営する「ひろしま」という名前のレストランは現地の人気店です。

ペ二ャ大統領は原爆資料館で「日本とパラグアイは、同じように戦争と復興の歴史を持つ。ヒロシマで起きたことは全人類が記憶すべきだ」と話しました。

パラグアイ ペ二ャ大統領
「戦争に苦しんだ国は、他の戦争に苦しんだ国や人を理解できる」

パラグアイは、核兵器禁止条約に署名・批准していますが、条約と距離を置く日本政府に対してはー。

パラグアイ ペ二ャ大統領
「どの国も、独自の歴史や政治的な背景があると理解しています」

芳名録には「世界の平和に向けて共に闘いましょう」と記帳しました。