青森県の陸奥湾の養殖ホタテが、2024年秋に大量に死んでいて、青森市の後潟漁協では、この5日間分で12トン程度が廃棄されました。こうしたなか、県は19日から、ホタテの生育状況などの調査を湾内で始めました。

竹島紀博 記者
「青森市の後潟漁港です。ここ数日で死んだホタテが大量に積み上げられています。死んでしまったホタテを比べてみるとわかりますが、大きくなれないまま、小さい状態で死んでしまった貝もたくさんあります」

後潟漁港に積み上げられているのは、先週木曜日から集められた死んだホタテです。

その量は、5日間で12トン程度にのぼり、19日朝は青森市の処分場に運んで埋め立てるため、トラックに積みこまれました。

ホタテは2024年の猛暑で弱っているなかエサ不足などが重なり、大量に死んだと見られています。このため、本来であれば、水揚げの最盛期であるいまの時期も、漁師の表情はさえません。

漁師
「(貝の中は)空。(カゴに)つめた時点で死んだんでしょう。(1カゴに入れたのは)24~25枚。(生きているのは)悪いところは1~3枚」

「いままでで最低。全然だめ。(再生できるかは)ここから。また高水温になれば同じ」

こうしたなか、ホタテ養殖の現状を確かめるため、県は19日~今週22日(木)まで陸奥湾内の漁協や支所で実態調査をする予定です。

このうち、後潟漁協では、2024年10月下旬に養殖カゴに移したホタテは作業した直後に多く死んでいたといいます。全体の9割程度の337枚が死んでいて、生きていたのは35枚だけでした。

一方で、2024年11月に作業したものは死んだホタテの数が比較的少なく、作業時期によって生育状況は大きく異なることがわかりました。

後潟漁協 山口隆治 組合長
「なかなか思うようにいかない、自然は。勝てない。高水温に対応していかないといけない。(人間が)もう少し作業を変えていくしかない」

陸奥湾ホタテの大量死は多くの漁協で確認されていて、県漁連によりますと今年度の水揚げ量は2万トン程度で、例年の4分の1あまりに落ち込む見込みです。

宮下知事は、原因を調査しながら支援を検討するとしています。