その事故原因は見通しのいい交差点なのに「死角」が生じる「コリジョンコース現象」だったのかもしれません。


10月28日午前8時ごろ、熊本県嘉島町の交差点で軽乗用車とオートバイが衝突し、オートバイに乗っていた40代の男性が死亡しました。現場の交差点には、信号機や一時停止の標識はありませんでした。


記者
​「事故があった現場は交通量が少なく、電柱以外に視界を遮るものはありません」

なぜ、この場所で事故が起きたのか。RKKのニュースサイトに、視聴者からこんな意見が寄せられました。


視聴者からのコメント
「コリジョンコース現象の可能性があるのではないか?」


「コリジョンコース現象」とは?
直角に交わる交差点に向かって同じ速さの車2台が走る時、相手の車が視界の同じ場所に見えることから、実際には近づいている車を動いていないものと認識してしまう現象のことです。
※コリジョン=衝突


事故が起きた現場で実際に検証してみると…

記者
「ずっと視界の左下に車がいるので距離感がわからなくなる感覚があります」


「窓枠にかぶっているので車が見えません。このまま近づいてきたら全く気付かずに衝突してしまうかもしれません」


もう一方の車に設置したカメラからも、同じような見え方をすることが確認できました。


警察でも今回の事故について「コリジョンコース現象が原因」の可能性があるとみて、詳しく調べています。


県内では今年、先月末までに交差点付近で1187件の事故が起きていて、16人が亡くなっています。去年の同じ時期では1162件・8人死亡と、今年はいずれの件数も増えていて、特に死者数は倍増しています。

県警によりますと、このなかには今回の事故現場と同じような見通しの良い場所も複数含まれているということです。

■「コリジョンコース現象」による事故を防ぐためにできることは?

警察は、視界が開けていて景色が変わらないような場所を運転する時には

□ 頭を動かして違う角度から左右を確認
□ 交差点付近ではスピードを落とすよう心がける

と呼びかけています。