通勤や通学などで多くの人が利用する自転車ですが、ある運転の仕方で重大な事故につながる危険性があるとして、製品事故を分析する団体が注意を呼びかけています。

手首に傘をぶら下げて自転車を運転していると…

傘の先端が巻き込まれて前輪を操作できなくなった結果、運転手は転倒し地面に全身を打ちつけてしまいました。

製品評価技術基盤機構「NITE」清水与也さん
「転倒したときに身を守るものがなく、身一つで投げ出されてしまう。1回転や宙返りするなどけっこう前に飛ばされてしまうので、骨折などの恐れがある」

製品事故を分析する「NITE」が実施した自転車の事故に関するアンケートでは回答者の約半数が「車輪に物が挟まって転倒した」もしくは「けがをした」経験があると回答しています。

街の人
「自転車に斜めに傘を差していて、それがずれてタイヤに絡まって転倒した。やっちゃった…って感じでした」


「カーディガンとか長い服を着ているときに絡まったことがあります。自転車に乗る時は、動きやすい服装を選ぶかも」

清水さんも傘の巻き込みとともに服装への注意を呼びかけます。

製品評価技術基盤機構「NITE」清水与也さん
「傘の巻き込み事故が一番多かったが、次に多かったのがスカートの巻き込み。自転車に適した服装で乗るように気をつけてもらえれば」

NITEでは、自転車に乗る際には折り畳み傘を持ち歩くよう呼びかけているほか、乗る前にはブレーキの効き具合を必ず確認してほしいと話しています。

自転車を安全に利用するポイントをNITEの清水さんに聞きました。

(1)運転中にハンドルや手首に傘など荷物をぶら下げない
(2)乗車前にブレーキの効き具合を確認する
(3)チェーンが伸びていないか、「カラカラ」などの異音がしないか確認する(4)車輪やハンドルまわり、ペダルに緩みやがたつきがないか確認する

このほか、買ったばかりの自転車はブレーキのワイヤーやボルトに緩みが出る「初期伸び」が起きる可能性があり、乗り始めてから数か月経ったタイミングで一度、業者の点検を受けてほしいということです。